経歴
慶應義塾大学商学部卒業後、総合電機メーカーに入社。アメリカ・カナダ向けの海外営業を6年間担当。異文化間のビジネスにおいて、単に英語が通じるだけでなく、文化や価値観の違いを理解し、相手に合わせた対応を取ることの重要性を学ぶ。
大学時代には、日本語学校の学生寮で住み込みのアルバイトを経験。卒業後に大学生活へ進んだ留学生たちが、なかなか馴染めずに孤立していく様子を何度も目にし、日本で暮らす外国人をもっとサポートしたいという気持ちが芽生える。「雇ってあげている」「住まわせてあげている」といった一方的な意識に対する違和感も、この頃から強く感じるようになる。
2008年より人材紹介会社にて、企業・個人向けのコンサルタント業務に従事。日本人2,000人以上、外国人500人以上の就職・転職を支援。その中で印象的だったのが、ある外国人留学生との出会い。真面目で優秀な人物だったが、「在留資格の更新が不安」「文化的な違いが心配」と採用を渋られる。企業側に制度の仕組みと本人の魅力を丁寧に説明した結果、無事に採用が決まり、後に「林さんのおかげで人生が変わりました」と感謝の言葉をもらう。今でもこの言葉が、自分の原動力になっている。
外国人支援事業の責任者として、制度設計・運用にも携わるなかで、制度の壁に阻まれて支援が届かない現実に直面。「もっと制度の内側から支援したい」という想いを強くし、行政書士資格を取得。2025年に独立し、現場経験と制度理解の双方を強みに、外国人と企業の双方に寄り添う支援を展開している。
制度や支援の意義に対する思いの根底には、障害を持つ家族の存在もある。社会保障制度のおかげで家族が安心して暮らせている現実があるからこそ、「仕組みの力で人の人生を支える」ことに、強い使命感を持っている。先人達から受け継いだ社会保障制度、社会のあり方を少しでも良いものにして後の世代に伝えていく事が自分の役割だと感じている。
仕事へのこだわり
一番大事にしているのは、「相手の立場に立って、一緒に考えること」です。
在留資格や外国人雇用に関する制度は複雑で、表面的なルールだけを伝えるだけでは、かえって不安を増やしてしまうこともあります。だからこそ、制度の背景や意図も含めて丁寧に説明し、「その人の状況なら何が一番現実的か」を一緒に整理していくことを心がけています。
また、支援する相手の理解度や立場によって、受け取り方や判断の軸は変わってきます。たとえば、初めて外国人を雇用する企業と、すでに複数人を受け入れている企業とでは、必要な情報も不安のポイントもまったく違う。だからこそ、画一的な対応ではなく、相手に合わせた柔軟なコミュニケーションと情報提供を意識しています。
制度と現場のあいだをつなぎ、安心して前に進める状態をつくる。それが、自分の役割だと考えています。
ビジョン・モットー
「多様なバックグラウンドを持った人たちが、それぞれの強みやキャラクターを活かして、社会に貢献できる世の中をつくっていきたい」
そうした社会の実現に向けて、私が取り組んでいるのは、「外国人を雇う企業が、安心して一歩を踏み出せる環境を整えること」です。
制度や文化の違いから、外国人の採用に不安を感じる企業も少なくありません。けれど、それは“情報が届いていない”だけかもしれないと感じています。「何ができて、どこに注意すべきか」を知るだけで、企業の選択肢は広がります。
私は、そうした選択肢を整理し、「今の状況で何が可能か」を具体的に伝えることを大事にしています。制度を知っている立場だからこそ、現場に寄り添いながら、“この方法なら進められる”という実感を持ってもらう。その結果、「この国で働きたい」と思える外国人と、「この人に来てもらってよかった」と思える企業が、自然に増えていく社会をつくっていきたいと考えています。
趣味
一番の趣味は、名古屋グランパスのサッカー観戦です。
地元・名古屋のチームということもあり、昔から応援し続けています。特にクラブがアジアやクラブワールドカップに出場するような時期には、現地まで観戦に行きたいと夢を膨らませています。
また最近では、外国人の方に紹介できるような日本らしい趣味を持ちたいと思い、そば打ちにも挑戦中です。まだまだ修行中ですが、自分で打ったそばを誰かに振る舞えるようになるのが目標です。
趣味を通じて得られる会話や交流は、価値観や文化の違いを超えて人とつながるきっかけになります。こうした時間が、仕事とはまた違った形で信頼関係を深める土台になっていると感じています。